今回は同テーマの第2弾です。
著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。
□ホメオスターシスを乱す栄養失調と低血糖症
私たちの体内には、ホメオスターシス(生体恒常性)というとても精巧なシステムがそなわっています。
ホメオスターシスとは、「生体におけるある条件を一定の範囲内に保っておくはたらき」のことです。簡単にいうと、「バランスを保つ力」といってもいいでしょう。たとえば血糖値や血圧、脈拍、体温からはじまって、血液中のいろいろな物質の濃度、食欲、睡眠のサイクルなど、ありとあらゆる体内の条件が、このホメオスターシスのはたらきで一定の状態を保つようなしくみになっているのです。このホメオスターシスが理想的な状態ではたらいていることが、健康であるということなのです。
しかしいろいろな理由で、このホメオスターシスの乱れが起きてしまいます。ホメオスターシスのはたらきを実際に調節しているのは、自律神経とホルモンです。現代社会は、自律神経とホルモンのはたらきを乱す要因であふれています。
たとえば、精神的ストレスは自律神経に大きな影響をあたえ、神経機能やホルモン分泌を乱し、その結果いろいろな症状を起こす原因となります。
農薬や食品添加物、重金属の蓄積や環境ホルモンなども、私たちのホルモンバランスを崩し、酵素のはたらきを妨害し、代謝を狂わせてしまいます。
そしてなによりもこれらのはたらきを狂わせてしまうのが、栄養失調です。神経伝達物質やホルモンの材料は、もちろん栄養素です。これらの材料である栄養素の不足は、神経伝達物質の産生やホルモン分泌に影響をあたえ、ホメオスターンスの乱れが起こり、さまざまな症状を引き起こします。
そしてもちろん、ホメオスターシスを乱す大きな原因となりえるのが、低血糖症です。単純な糖質の摂取の増加は、多くの栄養素を消費し、血糖値のジェットコースター状態を引き起こし、自律神経とホルモンバランスを乱していきます。そしてじわじわと、私たちの体と心を蝕んでいくのです。
健康を害する原因にはいろいろなものがありますが、真の健康をとりもどすためには、その原因を排除する必要があります。残念ながら、現代医学はこれらの病態、つまり栄養失調や低血糖症に関しては、非常に不得手です。というよりも、現段階では現代医学にはこれらの概念が存在しないのです。しかし、症状の原因が栄養失調や低血糖症にあるのであれば、薬をいくら飲んだところで、症状が軽くなることはあっても、根本的な改善は望めないのです。
□分子栄養学とは
私たちが真の健康をとりもどすために、すばらしい仕事をした人物が歴史上数多くいますが、中でもライナス・ポーリング博士とエイブラム・ホッファー博士は突出した人物といえます。彼らが提唱したのが、分子栄養学です。
分子栄養学とは、英語では「Orthomolecular medicine」といいます。「ortho」とはととのえる、矯正する、「molecule」とは分子、「medicine」は医学という意味です。日本では分子整合栄養医学、オーソモレキュラー医学、分子矯正医学など、さまざまな訳し方があります。治療に栄養素をつかうので、「Nutritional medicine」(栄養療法)と呼ばれることもあります。
分子栄養学の定義は、「もともとある生体内物質を、最適な量となるまで補給することによって、疾患の予防・治療をおこなうこと」です。つまり、私たちの体を作っている分子=栄養素を、至適濃度にととのえることにより、病態を改善する、という治療法なのです。これは、「分子の異常が病気を引き起こす」という考えにもとづいています。
顕微鏡で見ると、私たちの体は60兆個の細胞で作られており、さらにその細胞は分子でできています。この分子に異常が起こることが、病気を引き起こす原因なのです。ということは、これらの分子の異常をととのえて正常にもどすことができれば、健康をとりもどすことができます。分子の異常は多くの場合、その分子の材料、すなわち栄養素が不足しているために起こります。つまり、不足している栄養素を最適な量まで補給し、分子をととのえることで、本来の健康を回復するという治療法なのです。
分子栄養学でいう至適の栄養素の量とは、通常の場合、食事からとれるレベルよりもはるかに多い量です。厚生労働省の定める必要栄養所要量の数十倍、場合によっては数千倍の栄養素が使われます。全身に存在する分子をととのえ、治癒効果を出すためにはそのくらいの量が必要なのです。量が不十分では、分子をととのえるという目的を果たすことができないため、効果が期待できないのです。よく、そんなに大量の栄養素をつかうことは危険であると思われていますが、品質の保証されたサプリメントをつかい、熟練した医師のもとでおこなう場合、危険性はほとんどありません。
近年の栄養に関する研究は、私たちの体が従来考えられていたよりもはるかに多くの量の栄養素を必要とすることを解明しつつあります。粗悪な食べものを食べ、ストレスや環境汚染にさらされて生きる現代人は、ホメオスターシスが乱れやすい環境におかれています。分子栄養学は、ホメオスターシスをととのえ、健康をとりもどすためのすばらしいツールだといえるでしょう。
以上、抜粋終わり
身体に備わったホメオスターシスがきちんと働いていれば、
病気なることはありませんが、
現代では環境などからくる外部要因、
食事などからくる内部要因
共に身体を壊す要因が入ってきます。
これらを避けることは不可能ですが、
その分必要な手段として、
定期的なデトックスと
常に自然治癒力を高めておくことが
重要になってきます。
これらの方法はいろいろありますが、
これらの両方を兼ね備えた方法が
経絡治療です。
そのためわたしはお薦めしているわけです。
現代では病気にならないために、
デトックスと自然治癒力を高めておくことは
必須条件なので、
どのような方法でもかまいませんので、
あなたが選んだ方法で、
自分の健康を守っていただきたいと思います。